宣材撮影の目的は、お客さまに既存ではなく新しい選択肢をご提案するところにあります。
新作の衣装やメイクのスタイルなどを
モデルさんを起用し、
「こんなふうに撮影したいな」
と思っていただくように仕上げます。
憧れの一歩先をそっと差し出すのが、
私たちの目指すところ。
衣装、衣装の魅せたい柄、ヘアメイク、構図、建造物との相性、建造物の魅力…
押し出したいテーマに応じてコンセプト作りから技術部門とのすり合わせを重ねて、
撮影当日を迎えています。
今回の宣材撮影では、
ヘアメイク部門が1組、コーディネーター部門が2組の計3組が同じ邸宅の同じ時間帯で動きました。
当日はさながらファッションショーの楽屋のよう。
場の雰囲気は活気に満ち溢れ、あわただしく、
熱のこもった目をしたスタッフが走り回っていました。
終わってみて思うのが、まるで文化祭のように、
チーム全員で同じものを見据えて切磋琢磨したときの
じんわりとこみあげる達成感です。
無論、TORUTOKOYAの日々の業務もチームワークですが、 「お客さまがびっくりするような、ひとつの作品をつくるぞ!」という共通の目標に向かって真剣に取り組むことは、また別種の楽しさがあります。

私たちコーディネーターが今回掲げたコンセプトは
2つ。
「色打掛の色で遊ぶ」
「モダンクラシカル」
この2本を主軸にコーディネートを組み立てました。
■ コンセプトの起源
打ち出したいものやTORUTOKOYAが今後目指す姿を反映するコンセプト。
新作の衣裳の魅せ方や、お客さまへのご案内の幅を広げる手段にもなるので、
真剣に考えます。
今回、任せていただいた枠で必ずやりたかったこと。
それは「選択肢として」の色打掛の可能性を広げることでした。
このコンセプトを打ち出したきっかけは、ご衣装合わせの現場で
不意にご新婦さまが漏らした一言がきっかけでした。
「王道はこっち(赤)の色打掛だけれど、
わたしらしいのはこっち(青)なんだよね…」
この迷いは、実はご衣装合わせ
特に和装でよく悩まれるひとつの要因です。
何十年後にも見返す自身の結婚の記念写真を、
ひと目で分かる晴れ姿らしい装いで残したい。
一方で
好きな色や、好みのテイストも捨てたくない…
正直、痛いほど理解できる葛藤です。
その狭間で揺れるお心がどちらかに振れた瞬間を、私たちコーディネーターは機敏に寄り添えるよう心がけています。
ただ、その中で私が強く感じるのは
「今の」おふたりが好きなもの、大切にしている価値、流行は決して、
軽んじる必要はないということでした。
何年も残るから。何度も見返すから。ご親族さまにも見ていただくから。
そういった理由でご決断される選択肢も、かけがえのないものです。
だけど、色打掛というのだから
極彩色の色の中でご自身がしっくりくる「おふたりらしい」お色をセレクトいただくのも、同じように価値があるはず。
だからこそ、定番から外れた色でも
「結婚の写真に相応しい」と思っていただけるような選択肢をコーディネートで作れないだろうか。
長くなりましたが、
そう思ったのが今回のテーマ作りのきっかけでした。

翡翠のように淡く輝く緑白色と、品格の頂点に立つ京紫をメイン衣装に据え置き、
そこから色味とテイストのバランスを細かく確認しながら何度も小物類を差し替えていきます。
さらにそれぞれの衣装の柄の配置、最も美しくそれらが映えるポージングやヘアメイクを緻密に組み立てて行き、技術者へ意図を託しました。
攻めすぎず、それでもやってみたいと思っていただけるような塩梅を。
TORUTOKOYA だからこそ叶うコーディネートを、価値と思っていただくことを大前提として
作り上げるスタッフ全員が心を込めてひとつの作品を作っています。

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